デリケートゾーンの臭いが気になる…と感じたことはありませんか?実は、多くの女性が抱えている繊細なお悩みのひとつです。
汗や皮脂、下着のムレ、恥垢のたまり、ホルモンバランスの変化、さらには膣内の環境の乱れなど、臭いの原因はさまざまです。日常のケアで改善できるケースもあれば、婦人科系の疾患が隠れていることもあります。
この記事では、デリケートゾーンの臭いの原因とその対処法を、わかりやすく詳しく解説します。
デリケートゾーンの臭いの主な原因
デリケートゾーンの臭いには、日常生活の中に潜むさまざまな原因があります。汗や皮脂、下着のムレ、洗いすぎによる常在菌のバランスの乱れ、ホルモンの影響などが主な要因です。まずは原因を正しく知ることが、適切なケアへの第一歩です。
生活習慣によるもの
生活習慣が原因でデリケートゾーンの臭いが強くなることがあります。通気性の悪い下着や長時間の座り姿勢、体を締めつける服装などはムレやすく、菌の繁殖を招きやすくなります。清潔にしていても臭いが気になる場合は、まず生活習慣を見直すことが大切です。生活習慣による主な原因は以下の通りです。
- 汗や皮脂の蓄積
- 経血やおりもの
- 姿勢や服装
- 洗いすぎ
- ホルモンバランスの乱れ・更年期
それぞれ見ていきましょう。
汗や皮脂の蓄積
デリケートゾーンは体の中でも特に汗腺が多く、蒸れやすい部位です。特に夏場や運動時には汗の分泌が活発になり、下着や衣類で密閉されることで通気性が悪くなります。
その結果、汗や皮脂がたまりやすくなり、雑菌が繁殖しやすい状態に。これが臭いの原因となることがあります。また、長時間同じ下着を着用することでも、皮脂や汚れが蓄積し、臭いを強く感じやすくなります。こまめな着替えや通気性の良い素材の下着選びが効果的です。
経血やおりもの
経血やおりものが原因でデリケートゾーンの臭いが強くなることがあります。経血やおりものは時間が経つと酸化し、独特の臭いを発することがあります。
特に、生理中にナプキンを長時間交換しないと、ムレや雑菌の繁殖が起こりやすく、不快な臭いの原因になります。また、おりものが多い体質の方や、分泌物の変化がある場合は、膣内環境が乱れている可能性も。臭いが気になるときは、こまめなナプキンの交換や、下着の通気性を見直すことが大切です。
姿勢や服装
長時間同じ姿勢で座っていたり、脚を組むなどの体勢を続けていると、デリケートゾーンが圧迫され、汗や皮脂がたまりやすくなります。さらに、締めつけの強い下着やスキニーパンツなど通気性の悪い服装は、ムレやすい状態をつくり、菌が繁殖しやすくなるため臭いの原因になります。
とくにナイロン製など化学繊維の下着は湿気がこもりやすい傾向があります。臭いが気になる方は、綿素材の下着やゆとりのある服装を選ぶなど、日常の工夫が重要です。
洗いすぎ
デリケートゾーンの臭いが気になるあまりに、強くこすったり石けんで何度も洗いすぎてしまう方がいますが、これは逆効果になることがあります。膣まわりには自浄作用を保つための常在菌が存在しており、過度な洗浄によってこのバランスが崩れると、かえって雑菌が繁殖しやすくなり、臭いが強くなる原因になります。
とくにアルカリ性のボディソープや洗浄力の強すぎる製品の使用は要注意です。ウォシュレットの使用も常在菌への影響が指摘されているので使用を避けることをお勧めします。デリケートゾーン専用の低刺激な洗浄料を使い、やさしく洗うことが大切です。
ホルモンバランスの乱れ・更年期
ホルモンバランスの乱れや更年期は、デリケートゾーンの臭いに大きく関係しています。思春期や妊娠・出産期、更年期など、女性ホルモンの変化が大きい時期には、膣内の自浄作用を保つための乳酸菌のバランスが崩れやすくなります。
その結果、雑菌が繁殖しやすくなり、臭いの原因となることがあります。とくに更年期にはエストロゲンの分泌が低下することで、膣内が乾燥し、抵抗力が落ちやすくなります。日常のケアとあわせて、婦人科での相談も有効です。
病気によるもの
デリケートゾーンの臭いが強く、いつもと明らかに違うと感じる場合は、病気が原因となっている可能性があります。細菌性膣炎やカンジダ膣炎、性感染症などは、膣内の炎症や感染によって異臭を伴うおりものが増えることがあります。病気による原因は以下の通りです。
- 細菌性膣炎
- 膣カンジタ症
- トリコモナス膣炎
- 萎縮性膣炎
- 性感染症
- 子宮頸がん
それぞれ見ていきましょう。
細菌性膣炎
細菌性膣炎は、膣内の常在菌バランスが崩れ、悪玉菌が増殖することで起こる感染症です。膣の自浄作用が低下することで、灰白色〜黄色っぽい水っぽいおりものや、魚の腐ったような強い臭いが現れることがあります。
性行為や洗いすぎ、不規則な生活習慣などが引き金になることも。放置すると炎症が悪化し、かゆみや痛みを伴う場合もあるため、違和感を感じたら早めに婦人科で診察を受け、適切な治療を受けることが重要です。
膣カンジタ症
膣カンジダ症は、カンジダという真菌(カビの一種)が膣内で異常に増殖することで起こる感染症です。強いかゆみやヒリヒリ感、ヨーグルト状の白くポロポロとしたおりものが特徴で、臭いを感じることもあります。
ストレスや疲労、抗生物質の使用、妊娠などが免疫力の低下を招き、発症の引き金になることがあります。繰り返し発症するケースも多く、セルフケアでは改善が難しいため、早めに婦人科を受診し、抗真菌薬などの治療を受けることが大切です。
トリコモナス膣炎
トリコモナス膣炎は、性行為を介して感染する「トリコモナス原虫」によって引き起こされる性感染症の一種です。感染すると、泡状で黄緑色のおりものが増え、強い悪臭を伴うことがあります。また、外陰部のかゆみや痛み、排尿時の違和感などを伴うこともあります。
無症状のこともありますが、パートナーにも感染する可能性があるため、治療はカップルで行うことが基本です。早期発見・治療が重要であり、症状が疑われる場合は婦人科での検査をおすすめします。
萎縮性膣炎
萎縮性膣炎は、主に更年期以降の女性に多く見られる疾患で、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下により膣の粘膜が薄く乾燥し、炎症を起こしやすくなる状態です。
膣の潤いが減ることで自浄作用が低下し、細菌の繁殖が進みやすくなり、不快な臭いやかゆみ、灼熱感、性交痛、排尿時の違和感などの症状が現れます。潤い不足によるトラブルが長引くと、日常生活にも支障をきたすことがあるため、ホルモン補充療法や保湿ケアなどが有効です。
性感染症
性感染症は、性行為を通じて感染するさまざまな病気の総称で、デリケートゾーンの臭いやかゆみ、異常なおりものの原因になることがあります。代表的なものにはクラミジア感染症、淋菌感染症、トリコモナス膣炎、ヘルペスウイルス感染などがあり、それぞれ症状や治療法が異なります。
初期症状は軽い場合も多く気づきにくいため、放置すると不妊症や慢性的な炎症を引き起こすリスクがあります。異常を感じたら早めに専門医に相談し、症状に合った対応を行うことが大切です。
子宮頸がん
子宮頸がん自体は直接的に臭いを発生させることは少ないですが、進行するとがん細胞による組織の壊死や感染症を引き起こし、その結果として強い悪臭が生じることがあります。
不正出血やおりものの異常が続く場合、悪臭を伴うことがあり、放置すると感染が広がり症状が悪化するリスクがあります。臭いの変化は異常のサインの一つであり、早期発見のためにも気になる症状があれば専門医への相談が重要です。
デリケートゾーンの臭いの種類と原因
デリケートゾーンの臭いは種類や原因がさまざまで、汗や皮脂の蓄積、経血やおりものの変化、生活習慣、ホルモンバランスの乱れ、感染症など多岐にわたります。正しいケアや原因の理解が臭い対策の第一歩です。主な臭いの種類は以下の通りです。
- ツンとする臭い
- 尿のようなにおい
- 甘い臭い
それぞれ見ていきましょう。
ツンとする臭い
デリケートゾーンの「ツンとする臭い」は、主に汗や皮脂の酸化によって発生します。特に通気性の悪い下着や長時間の締め付けが原因でムレやすくなり、雑菌が繁殖して不快な刺激臭を引き起こします。また、洗いすぎによる常在菌のバランス崩壊も悪化の一因です。適切な洗浄と通気性の良い衣類選びで予防が可能です。
尿のようなにおい
尿の拭き残しや下着への付着が原因になっていることがあります。特に小陰唇が大きくヒダが深い方は、尿が残りやすく、そこから雑菌が繁殖して臭いが強くなることも。
排尿後に正しく拭くことや、入浴時に丁寧に洗うことで予防が可能ですが、こうしたトラブルが繰り返される場合には、小陰唇縮小術によって根本的な改善を図ることも検討されます。また、そのほか尿もれがある場合も尿のにおいが気になる可能性が高いです。
尿もれの中でも腹圧性尿失禁が起こっている場合は骨盤底筋へのアプローチが必要になります。
甘い臭い
デリケートゾーンから甘い臭いがする場合、膣内環境の乱れだけでなく、体内の代謝変化が関係していることがあります。特にケトン体が原因で独特な甘い臭いが発生することがあり、これは糖質制限や極端な食事制限を行っている際に起こりやすい現象です。
ダイエット中に栄養不足に陥ると、体脂肪を分解してエネルギーを作る過程でケトン体が増え、その揮発性物質が体臭に影響します。
デリケートゾーンの臭い対策
デリケートゾーンの臭いは体質や生活習慣、体調によって変化します。清潔を保つことが基本であり、適切な洗浄や通気性の良い下着選びなど、原因に応じたケアで不快感を防ぎ、快適さを保てます。主なデリケートゾーンの臭い対策は以下の通りです。
- 通気性の良い肌着を選ぶ
- デリケート部分の清潔を保つ
- VIO脱毛を検討する
それぞれ見ていきましょう。
通気性の良い肌着を選ぶ
デリケートゾーンのムレや不快感を防ぐためには、通気性の良い肌着を選ぶことが大切です。特に下着は長時間身につけるため、吸湿性に優れた綿やシルクなどの天然素材がおすすめです。
さらに、おりものシートやナプキンは小まめに交換し、汗ばんだら早めにシャワーなどで汗を流して着替えることが望ましいです。こうした工夫で、雑菌の繁殖や臭いを防ぎ、快適な状態を保てます。
デリケート部分の清潔を保つ
デリケート部分の清潔を保つためには、低刺激のボディソープやデリケートゾーン専用の洗浄料を使い、こすらず優しく洗うことが大切です。しっかりすすいで水分を残さないよう乾燥させ、入浴後は保湿も忘れないようにしましょう。
ただし、洗いすぎは常在菌を減らし自浄作用を低下させる原因となるため、必要以上に洗浄しないことも重要です。肌に負担をかけず、適切なケアで清潔さと健康を保ちましょう。
VIO脱毛を検討する
VIO脱毛を検討することで、デリケートゾーンを清潔に保ちやすくなります。自己処理は肌への負担や黒ずみの原因になりやすく、見えにくい部分のケアは特に難しいため、専門的な医療脱毛がおすすめです。
医療脱毛なら高い脱毛効果が期待でき、ムダ毛の処理頻度も減らせるため、肌トラブルの予防にもつながります。清潔さと快適さを長く保ちたい方にとって、VIOの医療脱毛は有効な選択肢といえるでしょう。
デリケートゾーンの臭いを消す方法ードラッグストアで買えるケア用品ー
デリケートゾーンの臭い対策には、日常的な清潔ケアが欠かせません。ドラッグストアで手に入るケア用品を活用することで、手軽に対策を始めることができます。
また、最近では医療機関でも取り扱いがある高機能なケア商品も登場しています。これらの製品を上手に取り入れ、毎日のケアに役立ててください。主なドラッグストアで買えるケア用品は以下の通りです。
- デリケートゾーン専用ソープ
- デリケートゾーン用ウェットシート
それぞれ見ていきましょう。
デリケートゾーン専用ソープ
デリケートゾーンの臭い対策には、ドラッグストアで手軽に購入できる専用ソープや消臭スプレーが便利です。日常のケアに取り入れやすく、清潔を保つのに役立ちます。
また、当院院長・櫻井夏子医師が開発した専用ケアシリーズもおすすめです。30代からの女性のホルモンバランスや肌の変化に着目し、6つのフリー処方とヒト幹細胞・エクソソーム配合のジェルでやさしくうるおいを与え、健やかな状態へ導きます。ドラッグストアの商品と併用することで、より効果的なケアが可能です。
デリケートゾーン用ウェットシート
デリケートゾーン用ウェットシートは、外出先や急な汗ばみ、気になるときに手軽に使える便利なアイテムです。低刺激で肌に優しい成分を使用しているため、敏感な部分にも安心して使用できます。
使い捨てタイプなので衛生的で、臭いやベタつきをさっと拭き取ることができるのも魅力です。こまめなケアに取り入れることで、いつでも清潔で快適な状態を保てます。
デリケートゾーンの臭いを消す方法ー美容医療ー

デリケートゾーンの臭いは生活習慣の改善だけでなく、美容医療によるケアも有効です。医療機関では、ボトックスなどの施術で臭いの原因にアプローチし、根本から清潔で快適な状態へ導きます。専門的な治療で長期的な改善を目指せるのが魅力です。デリケートゾーンの臭いの解消を目指せる治療は以下の通りです。
- スソボトックス
- 膣エクソソーム
- インティマレーザー
それぞれ見ていきましょう。
スソボトックス

スソボトックスは、デリケートゾーンの臭いや多汗症の改善を目的とした美容医療の施術です。ボトックス注射を陰部周辺に施すことで、汗腺の活動を抑え、過剰な発汗やそれに伴う臭いを軽減します。治療は短時間で終了し、ダウンタイムも少ないため忙しい方にも適しています。
また、臭いだけでなく、摩擦による不快感の軽減や皮膚の引き締め効果も期待でき、快適な日常生活をサポートします。継続的な効果を得るために定期的な施術が推奨されます。
膣エクソソーム

膣エクソソーム療法は、膣壁にエクソソームを注入して血流を促進し、粘膜のうるおいを改善する美容医療です。膣粘膜の乾燥は臭いの原因になることもあるため、乾燥が気になる方に特におすすめです。
エクソソームには細胞の修復や再生を促す成分が含まれており、膣の健康をサポートしながら自然な若返り効果が期待できます。施術は痛みが少なく、ダウンタイムも短いのが特徴で、快適な毎日を目指せます。
膣ハイフ

膣ハイフ(HIFU)は、高密度焦点式超音波を用いて膣の深部組織に熱エネルギーを届ける美容医療施術です。熱刺激により膣のコラーゲン生成が促進され、膣壁の引き締めや血流改善、潤いの向上が期待できます。
切開を伴わず、痛みは少なめでダウンタイムも短いため、忙しい方にもおすすめです。膣のたるみや乾燥、尿漏れなどの悩みがある方にも効果的な治療法です。
まとめ
デリケートゾーンの臭いは、汗や皮脂の蓄積、経血やおりものの残留、洗いすぎによる自浄作用の低下、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな原因で引き起こされます。
日常生活では、専用ソープや通気性の良い下着の着用、こまめなケアで清潔を保つことが大切です。さらに、美容医療のスソボトックスや膣エクソソーム注入、膣ハイフなどの専門的な治療で根本的な改善も可能です。
これらを組み合わせることで、臭いの悩みを効果的に解消し快適な状態を維持できます。
